ニキビ跡治療におけるケミカルピーリング治療の原理

はじめに

このページでは

「ニキビ跡を治したい、消したいので情報収集をしている」をしている人のために、美容皮膚科や美容クリニックで行われている「ケミカルピーリング治療のメカニズム」について解説しています。

管理人も以前ニキビ跡治療をしようと考えていた時期があり、色々調べたことがあります。

しかし、美容クリニックのHPなどを見てみると分かりますが、専門用語なども多く正直よく分かりません。

レーザー治療とケミカルピーリングのどちらが良いのかも分かりませんし、そもそもメカニズムやリスクについて見ても分かりませんでした。

管理人は色々と調べた上で、美容クリニックでレーザー治療、ケミカルピーリングでニキビ跡を治療するのはやめました。

基礎化粧品と生活改善で地道にケアすることで、かなりきれいにすることができました。

どちらが良く、どっちが悪いというわけでは決してありません。

しかし、医師に相談しにく前に最低限メカニズムは知っておくべきだという理由から、美容皮膚の専門書などをもとにできる限り分かりやすく

「ケミカルピーリングって何?どんなメリットがあってどんなリスクがあるの?」

について解説していきます。

ちょっと長くなっていますが、他のページとおなじように、パーっと流し読みをして、気になるところがあったら読んで見てください。

ケミカルピーリングとは「薬品で肌の角質を溶かして剥がす」治療方法

ピーリングとは「剥がす」「剥く」という意味で、ケミカルとは「化学薬品」という意味です。

ケミカルピーリングとは、要するに、化学薬品を使って肌の一番古い(肌の表面の)角質を溶かして剥がしてしまうということです。

ピーリング自体はニキビケアとして昔から取り入れられている古いニキビ治療方法です。

もともとは海外で発表されて、2001年に日本でもケミカルピーリングに関するガイドラインができたという歴史があります。

「肌の角質を剥がすことが、なんでニキビを治すことにつながるのか?」についてすごく簡単に言うと、

「毛穴のつまりを取ることで、皮脂のつまりをなくしてしまう」

というのが基本的な考え方です。

「古い角質は毛穴に溜まりやすく、それが原因で皮脂が排出されずに詰まって炎症を起こしたものが「ニキビ」や「吹き出物」である」

という考え方をベースにしたニキビの治療方法です。

肌の角質を無理やり剥がしてしまうことで

  • 角質による毛穴のつまりを解消する
  • 肌のターンオーバー(28日周期で角質が生まれ変わる)周期をリセットして整える
  • 角質を無理やり傷つけることを繰り返すことで、「肌の再生」を促す

という3つの効果からニキビとニキビ跡治療&ケアします。

「角質をはがすと肌が再生する」ってどういうこと?

皮脂は、取りすぎると体が肌を守ろうとしてもっと皮脂を分泌するように命令を出します。

これと同じで、肌の角質が傷ついたりすると、表皮の細胞や角質細胞間脂質(俗に言うセラミド)が増加します。

「筋肉トレーニングをして筋繊維が破壊されると、再生する時により多くの筋繊維がつくられ、結果として筋肉がつく」ということと同じことが肌でも起こるということなんです。

(ケミカル)ピーリングとは、ニキビやニキビ跡のある今の肌がターンオーバーで再生するのを「角質を剥がすことで無理やり早めてしまえ!」という治療方法です。

基礎化粧品でも、洗顔や化粧水などピーリング効果のある成分を配合&採用したニキビケア化粧品も多いです。

(というか、低〜中価格帯の基礎化粧品では一番多いです。)

これはもともと、美容皮膚科で行われていたケミカルピーリングの原理を化粧品に応用したものなんです。

ケミカルピーリングは「肌へのピーリング効果の深さ」によって種類が分かれる

ここからケミカルピーリングの種類について簡単に解説していきます。

美容クリニックのHPなどをみていると「〇〇ピーリング」など色々な名前のピーリング治療が目に飛び込んできます。

(これだけ聞いてもよくわからないと思うのですが)ほとんどが肌の角質を溶かして剥がす薬品の違いから「◯◯ピーリング」というように名前を変えています。

「薬剤が違うと具体的に何が違うの?」と不思議に思うかもしれません。

簡単にいうと、「どれだけ肌の奥の角質層まで溶かすか?」によって使うピーリング薬剤が変わってきます。

専門用語では、これを剥離深達(はくりしんたつ)レベルと呼びます。

この「剥離深達(はくりしんたつ)レベル」は4つのレベルがあり、それぞれピーリング効果のある薬品の配合率が変わってきます。

ピーリングは肌の古い角質(肌の表面の角質)を薬剤で溶かすことで、肌のターンオーバーをリセットしたり、毛穴のつまりを解消する治療方法です。

「肌の角質をどこまで深く溶かしてリセットするのか?」によって、薬剤の配合率と名前が変わります。

グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸、トリクロロ酢酸・・・などを、配合して、それを直接肌に塗ることでピーリングします。

「剥離深達(はくりしんたつ)レベル1」では、肌の1番表面の角層を剥がすことで、肌のターンオーバーを促すくらいのレベルの強さです。

「剥離深達(はくりしんたつ)レベル2」は表皮顆粒層(ひょうひかりゅうそう)から基底層の間まで、ピーリングします。

「剥離深達(はくりしんたつ)レベル3」は、表皮と真皮乳頭層(しんぴにゅうとうそう)の一部から全部。

「剥離深達(はくりしんたつ)レベル4」では、表皮から網状層(もうじょうそう)に届く深さまでピーリングします。

レベルが上がるに連れて剥離(はくり)する皮膚が深くなっていきます。

そのため、ピーリングレベルが上がるに連れ、お医者さんに深い経験と知識が求められますし、治療後の自分でするアフターケアも大事になってきます。

ピーリングのメリット&良いところ

(ケミカル)ピーリング直後は、古い角質が除去され、新しい角質が肌の表面に出ることで肌がむき出しに近い状態です。

なので、(良くも悪くも)外らかの影響を受けやすい状態です。

化粧水や美容液、乳液の成分が、普段よりも浸透しやすくなっているのが一点。

もう一点は、ケミカルピーリング自体は美容皮膚科ならどこでもやっています。

基礎化粧品でも(ピーリング効果は全然違いますが)そこらじゅうで売っているため、比較的始めやすいということです。

ただし、デメリットや気をつけるべき点もあります。

角質が薄い人や敏感肌の人にはトラブルが多い治療方法

ケミカルピーリングは角質が薄い人や敏感肌の人にはトラブルが多い治療方法です。

というのも、美容クリニックなどでケミカルピーリング治療を受けるときも、薬剤で肌の表面を溶かすため、

  • 皮膚の状態の把握
  • ニキビの重症度の判断
  • ピーリングに使用する薬剤の濃度

・・・etc

などをお医者さんが正確に判断する必要があります。

それに加えて、ケミカルピーリング治療をした後は角質が薄くなるため、肌が紫外線や雑菌に対して弱い状態です。

なので、きちんとしたアフターケアが必要になります。

ピーリングはメジャーなニキビケア方法なのですが、実は肌に対するリテラシーの高い人向けのニキビケア方法です。

自分の肌のことをきちんと把握していて、肌の調子によって普段の基礎化粧品を使ったケアを変えることができる

くらいのリテラシーがないのであれば、管理人としてはあまりオススメしません。

というのも、ピーリング自体が肌にものすごい負担をかけて行うものです。

なので、本来ピーリングというのは毎日やるものではないんです。

美容クリニックでのケミカルピーリングでも、一回の治療に2〜3週間空けるのが普通です。

基礎化粧品の場合もピーリング効果はかなり薄められているとはいえ、少しづつ肌の角質を削り取っていくようなメカニズムです。

どれくらいやるか?はあなたの角質の厚さや肌の状態によって変わります。

美容クリニックの場合は、これをお医者さんが的確に判断する必要がありますし、ケミカルピーリング後は紫外線対策や保湿ケアも含めて自分でやる必要があります。

ピーリング効果のある洗顔や化粧水など基礎化粧品でのニキビケアの場合は、

どれくらいピーリング効果のあるアイテムを選ぶのか?

そもそもピーリング効果の強さがわかるのか?

自分の肌にはどれくらいがあっているのか?

などを知った上で使う必要があります。

これらがわからないと、ニキビが仮に治っても、角質が薄くなり帰って肌が弱くなることでニキビができやすい肌質になることもあります。

そして、これって、人によって肌質が違うので、自分が使ってみないとわからないことなんです。

ピーリングというニキビケア方法はメジャーですが、実は使う側が自分の肌のことを知っていないと、かえって逆効果になるケア方法である

ということは覚えておいてください。

ケミカルピーリングは医療行為。トラブルも少なくないことに注意

美容皮膚科での、肌の治療って、すごく繊細で難しい分野です。

というのも、人によって肌の状態に違いがあることと、どれくらいきれいになるのか?の期待が治療を受ける側とお医者さんとのあいだで、認識に違いがあるからだそうです。

施術に関するトラブル

エステで美顔エステの契約をして3回目にピーリングを受けたら肌がトラブルを起こしてシミが残った。

3年近く前、医療機関でケミカルピーリング施術を受けた。その後次第に赤みが増したように思う。なんとかならないか?

ケミカルピーリングで顔が真っ赤になった。2ヶ月後、何もしていないのに同じ症状が出た。同じ事例があるのか?繰り返すのか?

インターネットで見つけた医院でケミカルピーリングをした所熱傷になった。全額返金を希望。

契約に関するトラブル

医療機関でケミカルピーリングなどの契約をしたが、施術前に解約を申し出たところ、解約はできないと言われた。

※Q&Aで学ぶ美容皮膚科ハンドブックp139より引用

それに加えケミカルピーリングは、少し前まではエステサロンも施術していたこともあってトラブルが多い時期がありました。

ケミカルピーリング自体は軽い化学熱傷を肌に与える治療のため、どれだけ名医でもトラブルを起こしてしまうことは少なからずあるようです。

治療を受ける側の私達も、最低限そのことを理解した上で、治療を受けるか受けないかを決めたほうが良いと管理人は考えています。

ここまでケミカルピーリングでのニキビケアについて簡単に解説してきました。

長くなったのでまとめます。

  • ケミカルピーリングは、肌の角質層を薬品で溶かして古い角質を取ってしまうことで、肌のターンオーバーの正常化と肌の再生を促す治療法
  • ケミカルピーリングも基礎化粧品のピーリング系のアイテムも、基本原理&メカニズムは同じ。
  • ただし、ピーリングする薬品の濃度は全く違う
  • ピーリングするレベルは4つあり、高くなるほど肌の奥までピールすることになる
  • 肌に薬品で火傷のような外傷を与える治療法なので、リスクもあるし、治療を受ける側にリテラシーが必要

となります。

このページではあくまでも

「ケミカルピーリングとピーリングでなぜニキビが治ったりニキビ跡がよくなったりするのか?」

の理由について解説してきました。

他のページでより詳しいことを解説していますので、是非参考にしてみてください。

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