ニキビ跡のレーザ治療のメカニズムをわかりやすく解説

はじめに

このページでは

  • ニキビ跡をなんとかしたい
  • レーザー治療でどこまでキレイになるのか?
  • ニキビ跡のレーザー治療について情報収集している

という人のために、「レーザー治療でニキビ跡が治るメカニズム」についてわかりやすく解説しています。

美容皮膚科や美容クリニックでのニキビ跡治療の仕方はレーザー治療と「ケミカルピーリング」の二つに分かれますが、全部解説すると長くなります。

なので、このページでは「レーザー治療のメカニズム」についてだけ解説します。

ちょっと長くなっていますが、他のページ同様パーっと流し読みして、気になる部分があったら読んでみてください。

「わざ」とレーザーで肌に傷をつけるのがレーザー治療

「最初にレーザー治療でなんでニキビ跡が治るの?」という素朴な疑問について解説していきます。

赤い色素沈着タイプのニキビ跡と凸凹タイプのクレーターニキビ跡とでは、レーザーで治っていくちょっとメカニズムが違います。

「ニキビの赤みが肌の奥にそのまま残ってしまった赤い色素沈着のニキビ跡」のレーザー治療のメカニズムは凄くシンプルです。

単純に赤く色素がついた肌の細胞をレーザーを当てることで直接破壊します。

レーザー治療は、レーザーを当てることで、皮膚に大きな熱が発生する外科的な治療方法です。

なので、色素が残ったり、意図せぬトラブルが起こるリスクがある治療なことは自覚してから治療を受けるべきです。

レーザー治療で覚えておいてほしいこと1:レーザーの「波長」と「光吸収率」

レーザーは「レーザーを当てた部分を全て焼き尽くす」ようなイメージがあるんですが、実は調べてみると違います。

レーザーというのは「光」で、太陽の光でいう赤外線や紫外線のように様々な「波長」があります。

レーザーを吸収するとその部分が熱を持ち細胞が破壊されます。

波長によって、細胞のレーザーの吸収の仕方が全然違います。

※わかりづらいですが、簡単にいうとサングラスのように紫外線だけをカットするUVカットみたいなものです。

この波長をコントロールすることで、肌のダメージを最小限に抑えながら、ニキビ跡の色素沈着やシミやくすみの原因となるメラニン細胞だけを破壊するのがレーザー治療です。

例えば、シミやくすみの原因となるメラニンだけに反応する波長のレーザーを照射する。

こうすることで、肌の表面への影響力を最小限におさえて、肌の奥の真皮層に近いところにあるメラニン細胞だけ破壊することができます。

ただ、「ニキビ跡の原因である色素細胞」にダメージを与えると、色素細胞と、その周りの健康な肌細胞に熱が発生します。

熱が発生すると当然、火傷のようなダメージが発生します。

その火傷のようなダメージを最小限に抑えるために、レーザーでは「波長」以外に「パルス幅」と呼ばれるものをコントロールします。

レーザー治療で覚えておいてほしいこと2:レーザーの「パルス幅」

美容クリニックや美容皮膚科のHPなどをみていると、「レーザーのパルス幅」という言葉が出てきます。

「レーザーのパルス幅」とは、「レーザーを照射する時間(レーザーを肌に当てる時間)」のことです。

レーザーを当てると周囲に熱が拡散します。

簡単にいうと、色素沈着の原因であるメラニンをレーザーで破壊しようとしても、メラニン周辺の肌組織が火傷をしてダメージを負ってしまいます。

なので、レーザーを当てる時間を細かくコントロールして、破壊したい細胞以外へのダメージを最小限に抑える必要があります。

このレーザーを当てる時間のことを専門用語で「パルス幅」と言います。

レーザーは強力なので数秒単位の話ではなく、「ミリ秒」、「ナノ秒」の違いの世界です。

レーザーのパルス幅(つまり照射時間)が3〜40ミリ秒のものは、ロングパルスタイプ(一回の照射時間が長い)。

※ミリ秒は1,000分の1秒。

パルス幅が最もせまい(レーザーの照射時間が短い)ものは、Qスイッチタイプレーザーの50〜100ナノ秒とそれぞれ種類が違います。

※ナノ秒はなんと1秒の10億分の1

これくらい繊細に照射時間をコントロールするのがレーザー治療なんです。

パルス幅が広い方がいいとか、狭い方がいいとかそう言うわけではなく、あくまでも治療する症状や肌の状態、お医者さんの治療方針によってなにが良いかは変わってきます。

レーザー治療では、「レーザーの波長」「パルス幅」で治療できる症状が変わる

ここまでレーザー治療で大切な

  • 「レーザーの波長」による「光吸収率」の違いを利用して、破壊したい細胞だけ破壊すること
  • 「パルス幅」(レーザーを照射する時間)をコントロールすることで破壊した周辺の肌細胞へのダメージを最小限に抑える

ことを解説してきました。

これらはレーザーの機種の種類、

「炭酸ガスレーザー」、「Er:YAGレーザー」、「Qスイッチレーザー」・・・etc

など、(聞きなれない)名前のレーザー機種によってそれぞれ違います。

同じニキビ跡でも、色素沈着ニキビ跡とクレーター型ニキビ跡とで、レーザーの機種によって得意とする波長やパルス幅が違うので、それぞれ治療に向く向かないがあります。

レーザーの機種だけではなく、使い方やレーザーの当て方によって、効果や治り方が違います。

なので美容皮膚科や美容クリニックによって治療方針や、採用している治療方法が違うので、一概に「これが一番いい!」とはいうことができないんです。

フラクショナルレーザーはレーザーの種類ではなく、レーザーの「当て方」

一応「名前だけは知ってるよ!」という場合のためにフラクショナルレーザーについても、簡単に解説します。

※フラクショナルレーザーのニキビ跡治療については他のページで詳しく解説しています。

フラクショナルレーザーは、レーザーの種類ではなくレーザーの照射の仕方(当て方)の名前です。

フラクショナルというのは、剣山で刺したようにドット状(この形のことをフラクショナルと言うんです。)にマイクロレーザービームを多数当てることを言います。

「面のようにレーザーを当てる普通のレーザー治療よりも、高出力なレーザーを少ない傷で当てることができる」

ことがフラクショナルレーザーのメリットです。

2004年に理論が発表されて以来、美容クリニックや美容皮膚科で導入され始め、今では多くのニキビ跡治療に採用されています。

レーザー治療のトラブルはなぜ起こる?

最後に、「レーザー治療で起こるトラブル」について簡単に解説していきます。

レーザー治療というのは、手術のような外科的な治療です。

美容皮膚科の医師が書いた書籍などを読んでいくとよくわかるのですが、最新の注意は払ってもニキビ跡を治療している美容皮膚科でもトラブルは起こります。

患者さんの肌や症状の種類、症状の深さや深刻さによって、レーザーの設定はもちろん当て方も変わってきます。

非常に難易度の高い治療方法なので、最細の注意を払ってもどうしてもトラブルは怒ってしまうのは避けられないようです。(もちろんほとんどの方がきれいになっているのも間違いありません。)

レーザー治療のトラブルで代表的なものが、

  • シミやニキビ跡がレーザー治療後に濃くなってしまった
  • 再発してしまった・・・
  • PIT(炎症後色素沈着)と呼ばれる、レーザー治療で発生した傷の色がそのまま残ってしまう
  • 治療後の肌がダメージを受け、最新の注意が必要なダウンタイム中のトラブル

などもありますが、「思ったよりもキレイにならなかった・・・」というお医者さんと施術を受けた人の認識のズレからくるトラブルも多いようです。

ダウンタイム中(治療後に普通の生活が送れるまでの期間)のケアも間違えると、ニキビ跡もきれいになりません。

治療費も健康保険が適用されないこともあって高額ですし、時間もかかります。

レーザー治療自体にリスクもありますが、

なによりも腕の良い、評判の良い美容皮膚科や先生がどこなのかが、レーザー治療を受ける前にわからないんです。

レーザー治療を受けたからといって必ずキレイにわけではないこと

治療費も高額で、ニキビ跡の症状によっては時間もかかる。

どのお医者さんが良いのか外からではわからない

という理由から管理人は、美容クリニックでのニキビ跡のレーザー治療をするのは止めました。

色々な美容皮膚科の先生も書籍で書かれてるんですが、ニキビ跡治療をしても、大事になってくるのは日頃の基礎化粧品を使ったケアなんです。

結局ニキビ跡をレーザーで治療しても、治り方で大事になってくるのが肌の健康状態だそうです。

レーザー治療でニキビ跡をキレイにしても、またニキビができてしまったらいつまでたっても肌はきれいになりません。

管理人は美容皮膚科でレーザー治療など受けることなく、基礎化粧品と生活習慣の改善でニキビ跡をケアしました。

そこそこきれいになってきたと思います。

何よりもニキビができにくくなったので、肌が見当違いなニキビケアをしていた時と比べて段違いにきれいになりました。

最近の基礎化粧品は技術も発達しているので、自宅でのニキビ跡ケアもできるアイテムも出てきています。

「ニキビ跡を治したい時、レーザー治療と地道なケアのどちらのほうが良いのか?」

は人によります。両方の方法を知った上で自分にあうニキビ跡のケア方法を選んでみてください。

  • ニキビ跡のレーザー治療は、レーザーの波長、パルス幅(レーザーの照射時間)をコントロールして、ニキビ跡の原因の色素細胞だけを破壊する治療方法
  • フラクショナルレーザーは肌にドット状の穴をたくさん開けて肌の再生を促す治療方法
  • お医者さんによって使うレーザーの種類や、治療方法の方針に違いがあるのでどれがいいとは一概に言えない
  • どの美容皮膚科が良いのか?がわかりづらい
  • 「基礎化粧品や生活習慣の改善でのニキビ跡ケア」も「レーザー治療」、メリットや費用を見比べて自分にあった方を選ぶのが◯

ちょっと難しかったかもしれませんが、わからなくても特に大丈夫です。

他のページでも解説していますので、そちらを読んでみてください

ニキビ跡に関する他の読んで欲しいページ

ニキビ跡は洗顔で消える?ニキビ跡に悩むときの洗顔フォーム選びの注意点を解説

ニキビ跡のレーザー治療の種類と特徴をわかりやすく解説

ニキビ跡を治したいとき、まず知っておくべき大事なこと

ニキビ跡は化粧品で治ったり消える?という疑問を解説

ニキビ跡を消す|凸凹クレーターと色素沈着を消す方法